大石蔵人之助の雲をつかむような話

株式会社サーバーワークス 代表取締役社長 大石良

いつも通りの入社式

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こんにちは、大石です。

去る4月1日、今年も無事に新入社員を迎えて入社式を執り行うことができました。

入社式を中止したりする企業が多かったようですが、当社は予定通り4月1日に行いました。
先日のブログで書いたとおり、今の私たちに必要なことは、とにかく経済を活性化させて、東北、ひいては日本の復興に少しでも寄与すること。
それでなくても、入社式のような「セレモニー」は、普段通りやることに意味があるものだと思います。
世間の空気を読むことは結構ですが、世間に流されて「普段通りやるべきこと」をできない会社では、緊急事態でないときも「普段やるべきことがやれていないのでは?」という疑念を持たれても仕方がありません。
「みんなが大変な時はおめでとうが言えない」というロジックが正当化されてしまえば、避難所で生まれた子供に私たちはなんと声をかけたらいいのでしょう?image
当社では、新入社員に向けて毛筆で「ようこそ」と書いてくれた先輩社員が居ましたが、こんな時だからこそ「ようこそ!一緒に日本の復興に向けてがんばろう!」というのが企業としてのあるべき姿だと思います。

 

入社式では、2つの話をしました。
1つは毎年している話で、「これからは、答えがない」ということ。
もう一つは「明日死ぬかも知れない」ということ。

答えがない

学生までは、ほとんど全ての問題に「答」が用意されていました。
入学試験でも、テストでも、正解があって、そこに至る道が何らかの形で示されている。
そういう環境で育ってきた。
それが、突然「答えの無い世界」に引きずり込まれるわけです。
最初の関門が「入社試験」でしょう。
「落ちても理由が示されない」のはこれが人生で初めての筈です(強いて言えば、アルバイトの面接?)。
正解が無いからこそ、つねに考えて、考え抜いて自分の行動を決していかなくてはいけない。
唯一無二のベストが存在するという前提で物事を考えるのではなく、ベターを求め続ける心構えを持って欲しい、と伝えました。

 

明日死ぬかも知れない

入社式の時に不吉なことを言うようですが、こんな時期だからこそ、どうしてもいわなければいけないと思い、場の空気が悪くなることは承知の上でこんな話をしました。
今回の震災で、私たちは、驚くほど大勢の人々が、実にあっけなく命を奪われる瞬間を目の当たりにしました。
これを「天罰」と呼ぶ政治家を私は許せませんが、それでも、この震災から学ぶことはあるはずです。
それは、私たちは明日死ぬかも知れないという事実。
未来の予測不可能性を極めて低く見積もっている現実。
今日できることを明日に先送りする日常。
そういうものを見つめ直す機会は、間違い無く得られました。
明日死ぬかも知れないから、悔いの無いように、今日を一生懸命生きよう。
明日死んでも自分に納得ができるように精一杯やろう。
未来は、漫然とそこにあるのではない。
未来は、自分の手で、今日作るものだ。
そういう話をしました。

 

当社に入社した新入社員と、入社式をしてもらえなかった全ての新入社員の皆さんに贈ります。
入社おめでとう。
一緒に日本の復興に向けてがんばろう!