大石蔵人之助の雲をつかむような話

株式会社サーバーワークス 代表取締役社長 大石良

松下幸之助翁の名言

記事タイトルとURLをコピーする

こんにちは、大石です。

先日、NHKの「知るを楽しむ」でやっていた松下幸之助翁の特集を拝見しました。

もともと尊敬する経営者の一人で、松下幸之助翁が実際に面接の時に聞いたという質問を私も有り難く使わせてもらっていたりもするのですが、改めて特集という形でみるにつけ、経営の神様とまで呼ばれた人は良いことを言うなぁというのが率直な印象でした。

「私は失敗というものをほとんどしたことが無い。なぜなら成功するまでやり続けるからだ」

ほとんど同じ事を、ウィンストン・チャーチルもこのように言っていることを思い出しました。

成功とは、意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである

「不況もまたよし」

松下幸之助翁のこの一言は、津本陽氏の著書で以下の様に説明されています。

資本主義経済にとって、好不況の波は避けることのできない存在だ。しかし、不況下での努力や創意工夫が企業を鍛え、次代に生き残るべき存在か否かを決定づける…。すなわち不況は、時代や市場変化への対応をキーとした「ふるい」であり、資本主義自体の自浄作用なのである。

松下幸之助翁は、大恐慌で他社がばさばさと人を切っていた時に、いち早く「人は一人たりとも切らない。その代わり働く時間を半分にする」と宣言し、それを聞いた社員からは歓声があがったそうです(ちなみに、この決断をしたときに幸之助翁は病気で寝ていたそうです。病身にあってもこうした前向きな決断ができるところに、常人ならざる精神の強さを感じますね)。これっていま風に言うと「ワークシェアリング」ですよね。

これで何が起こったかというと、かえって社員のモチベーションが上がって在庫がぜんぶはけてしまったと。そしてこういうことを学んだということです。

「やれば やれる」

私たちも、「不況を耐える力のある存在だ」ということを証明しなくてはいけないと、思いを新たに致しました。

「日に新た」

松下幸之助の理念の真髄は「日に新た」。企業を大きくする過程で、製造手法、企業組織、従業員制度などを常に見直し、改革を進めた。直面する危機を、逆に契機として、企業革新を成し遂げてきた。「日に新た」は、幸之助自らにも当てはまる。晩年に至るまで深く思索を続け、幸之助自身が人間的に常に変革を行っていたのだ。作家・北康利さんが「日に新た」をテーマに松下幸之助の思想行動を紐解き、現代へのメッセージを探る。

先代の中村社長は、旧態依然とした松下の組織を壊した改革者として、後生まで名を残す大きな仕事をやり遂げた名経営者でした。そして今の社長である大坪社長も「松下電器産業株式会社」を「パナソニック株式会社」に改めるという重大な決断をした素晴らしい経営者です。

とくに社名を改めるという決断は、古参社員を中心に相当な議論があったことと思います。ですが、幸之助翁が聞いたらなんと答えたでしょうか?おそらく「やりなはれ」と言ったでしょう。改革すること自体が会社のDNAになっていればこその英断だと思います。

2代続けて、創業者の理念である「日に新た」を実践する素晴らしい経営者を輩出できるのも、幸之助翁が真々庵で後進にこのように教えたからでしょう。

松下は何をする会社なのですかと聞かれたら、「松下は人を創る会社でございます」と答えなさい

そしてこの人を創るシステムは、2代続けて素晴らしい経営者を輩出した事実から鑑みるに、非常に有効に機能しているなというのが強い印象として残りました。私たちも、ぜひ見習わなければならないと思っています。

全部取り上げていたら本が一冊かけてしまうほどですが、私たちは幸いにして、こうした先人の素晴らしい教えをネットで簡単に知ることができる環境にあります。

こうした環境に感謝し、先人の教えを仕事に人生に活かしていこうと、涙をぬぐいながら拝見した次第です。