大石蔵人之助の雲をつかむような話

株式会社サーバーワークス 代表取締役社長 大石良

2021年5月版 クラウド業界アップデート AWS Summitでネコに嫉妬・・!ネコを出すなんて反則!!

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こんにちは、大石です。

今月も忙しいビジネスマン、ビジネスウーマンの皆さまに向けて、先月(2021年5月)のクラウド関連ニュースをさくっとキャッチアップできるようにまとめてお届けしたいと思います。様々なニュースから今後の展開を読み解くヒントとして、IT戦略の一助にご活用下さい!

 

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info.serverworks.co.jp

2021年5月のクラウド関連トップニュース 〜AWS Summit Onlineが開催〜

  • 5月のメイントピックスは「AWS Summit Onlineの開催」です。残念ながらコロナ禍で物理的な開催は今年も見送られましたが、オンラインでの開催にも関わらず特に初日の基調講演は多くの方が視聴されたようで、SNSでも大きな話題となっていました。以下、初日の基調講演の一部をお伝えします
  • AWSJ長崎社長からはAWSの堅調な業績が発表されました。AWSの年間売上は2020年会計年度で約4.9兆円、成長率は2021年3月期の前年同期比で32.1%増であること。またAWSのパートナーは国内で345社に上ることが伝えられました
  • DeNAの南場社長からは、同社がAWSを用いて、1日50億リクエスト/3000台にも上る物理サーバーからなるシステムを全てクラウドに移行したことが告げられました(なお、これ以前に南場社長はGCPのイベントに登壇してGCPにも移行していることを公開していることから、全部AWSというわけではないようです)
    クラウドによってエンジニアにより付加価値の高い業務に携わってもらうという強いメッセージは、多くの共感を呼びました
  • Catlogというネコの見守りサービスを提供している、RABO社の伊豫社長が登壇されたのですが、正直、伊豫社長が全て持って行ってしまいました。「ネコさま」と称してネコの生活をIoTデバイスで見守るというコンセプトのサービスは、キャッチーなプレゼンも相まって抜群のインパクトでした

注目AWSトピックス

 

  • AWSのCEOにAdam Selipsky氏が就任決定
    AWSのCEOだったAndy Jassy氏がAmazon.comのCEOに就任することになり、AWSの後任CEO人事が注目されていましたが、元AWSのVPで、現TableauのCEOでもあるAdam Selipsky氏が就任することが発表されました。
    Adam Selipsky氏は2005年から2016年の間、営業活動等で複数回来日してAWSのパートナーや顧客との接点も作っていたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?
    ちなみにAdamさんは大学こそハーバードですが、5歳から12歳まで、ビル・ゲイツも通ったシアトルのプライベートスクールに通っていたそうで、シアトルのフットボールチーム、シーホークスの大ファンでもあるんだとか。

 

その他クラウド関連ニュース

  1. GCP上に実装されたネット銀行「みんなの銀行」がサービス開始
    ふくおかFGがアクセンチュアと組んでGCP上で銀行サービスを提供すると以前よりアナウンスされていましたが、いよいよ5/28に正式サービスインしました。
    非常にわかりやすく、かつモバイルに特化したユーザーインターフェースと、eKYCをスマホのカメラを使って行うという新しい取り組みが注目されています。
    現状はユーザーのメリットが限定的で、口座振替ができないなどの制限もあるため利用は限定的になるものと思われますが、既存のシステムよりもフットワーク良く機能の追加ができそうですので、今後のサービス展開が大いに期待されます。
  2. Salesforceが大規模障害
    5月12日AM、Salesforceの複数のサービスが利用できなくなるという障害が発生しました。残念ながらワクチン接種予約システムにも影響がでてしまい、影響の大きさがうかがい知れます(残念ながら当社のシステムにも一部影響がでてしまいました)。
  3. Zoom Eventsを始め、オンラインイベント向けSaaSが続々登場
    Web会議最大手のZoomが、オンラインイベントを実現するためのZoom Eventsを発表しました(正確には、以前から提供していたOn Zoomを統合)。近々正式リリースとのことで、今年中にはZoom Eventsを用いたバーチャルカンファレンスが世界中で開催されそうです。
    国内でもEventHubやoViceなど、オンラインイベント、バーチャルイベントを実現するSaaSが続々と登場しており、物理一本足だったカンファレンス市場に一石を投じています(ただし、ワクチン接種が一巡した後にどうなるのかはしばらく様子見となりそうです)。

先月のサーバーワークス関連ニュース

  1. 当社所属のエンジニアが 2021 APN Ambassador / Top Engineers / ALL AWS Certifications Engineers に選出
    アンバサダーには2名、トップエンジニアには3名、All Certificationsには7名のエンジニアが選出されました!
  2. コールセンターのアウトバウンドコールを自動化する「オートコール導入サービス for Amazon Connect」をリリース
    自動的に与えられたリストに対して電話をかけて、繋がった場合だけ通話できるようにする、というソリューションを提供します。これによって、特定の業務(注文の確認や督促、選挙活動など)における電話の効率的な運用を可能にします
  3. 「Cloud Automator」に「日付スキップ機能」を追加
    特定の日のみ例外的にジョブの実行をスキップさせることができるようにすることで、従来のタイマートリガーでは実現できなかった「土日・祝日ではない、店舗独自の休業日にEC2インスタンスを起動ジョブを実行しない」といったきめの細かい運用が出来るようになります。

まとめ

  • トップのメッセージが示す「ITの課題は70%以上が非技術的なもの」という現実
    AWSの長崎社長やDeNAの南場社長が示した通り、ITを経営に取り込んで事業を成長させるという方針はトップが示すもので、それがIT(クラウド)を成長ドライバーにできるかどうかの分かれ目になっているということが示されました。
    DXにはこれまで以上にトップの関与が求められそうです。
  • クラウドがいよいよ金融機関でも稼働開始
    みんなの銀行はGCPを中心に複数のクラウドを用いていると報道されていますが、5月には北國銀行がAzure上で勘定系システムが稼働開始と表明するなど、いよいよ金融機関での稼働が始まっています。金融サービスの充実にはクラウドサービスの利用が待ったなしの状態ですが、フィンテック系のベンチャーが間隙を縫ってこの市場を取り切るのか、それともみんなの銀行の様に既存の金融機関がDXを通じてサービスを拡充するのか、市場動向が大いに注目されます。

AWS Summitは「ネコ様」に全て持って行かれてしまいましたね・・。
サイバーコミュニケーションズの2020年調査によれば、YouTube視聴における全世代でのトップカテゴリーは「音楽」ですが、40代以降に限って言うと2位が「動物」なんだとか。ようはネコです。ネコを出しておけばおっさんが釣れるワケです。これは非常に悔しい結果です。私たちがいくら頑張ってクラウドのコンテンツを用意しても、ネコ様にはかなわないワケです・・・。これには嫉妬がとまりません。
来月からCloud UpdateではなくCat Updateになってしまうかもしれませんが、その際は「ネコの魅力に抗えなかったんだなぁ」と暖かく見守って頂ければ幸いです。。