大石蔵人之助の雲をつかむような話

株式会社サーバーワークス 代表取締役社長 大石良

就活・婚活のやりすぎは・・・?

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こんにちは、大石です。

このブログでもお伝えしているように、当社では2012年4月期の新卒採用を行っていますが、おかげさまで当社にもエントリーしてくださる学生さんも徐々に増えてきました。

年も明けてエントリーしてくださった学生さんへのエールと、私たちが大切にしている価値観をお伝えするという意味をこめて、学生さんに以下のようなメールを送りました。その内容のレスポンスがよかったので、(当社へエントリーしていない学生さんにも、こういう価値観があるということを知って頂くことに一定の意味があると思い)転載します。

 

みなさん、あけましておめでとうございます。
株式会社サーバーワークスの代表を務めております大石です。

いよいよ、就職活動の成否を決める年がやってきました。
みなさん、いろいろと面接の準備や、試験対策、読み慣れない新聞との格闘などいった
プレッシャーと戦い始めているころではないかと拝察します。

これからの何ヶ月間かで就職先を決めたい、と願っていらっしゃるみなさんに
ささやかながらアドバイスができればと思い、この文章を書いています。
それは、「やりすぎない」こと。

最近は、就活だけでなく「婚活」も流行っていますよね。
「婚活でみかけた困ったちゃん」などという話をネットでみて、クスクス笑ったりすることもありますよね?
でも、ちょっと考えてみてください。
私たち採用側から見ると、婚活で一生懸命になっている「ちょっとイタい感じの人」と
就活で一生懸命すぎる学生さんって、ダブって見えるんです。

婚活で「お見合いパーティーに年間200回行った」「100人とつきあった」という人。
皆さんだったら、こういう人をパートナーに選ぶでしょうか?
私は選びません。
がんばってるんだけど、どんどんゴールから遠ざかっている気がしますよね?

実は、就職活動も同じです。
「200社にエントリーした」「100社の説明会にいった、ESを書いた」という人。
そういう人は(結構)いるんです。個人的にもすごいと思います。
ですが、明らかにゴールからは遠ざかっている。
200社もエントリーしたら、その会社のことを覚えていられるはずが無い。
あなただったら、あなたのことを覚えていない人を彼氏彼女に選ぶでしょうか?
きっと選びませんよね?

みなさんが「希望の会社に就職したい」と願っているように、
わたしたちも「希望する人と一緒に働きたい」と強く願っているんです。
みなさんから見ると、会社って得体の知れない無機質なビル、みたいなイメージかもしれませんが、
実は会社だって人間の集まりなんです。
そして、みなさんの就職が決まるかどうかは、生身の人間が決めているんです。


面接のテクニックはもちろん重要です。無いよりはあった方がトクでしょう。
でも、正直に言ってみなさんがたった数ヶ月で身につけられるテクニックなんてたかが知れています。
ほとんどの面接官は、面接のプロです。
何百人、何千人も面接している。
小手先のテクニックか、心がこもっているかは、分かってしまいます。
それであれば、相手が生身の人間である以上、心がこもっている方がずっと良い。

先ほど「あなたのことを、知っている人と知らない人と、どちらを選びますか?」と問いましたが
面接官だって同じ気持ちです。
面接の受け答えが多少ぎこちなくても、ちゃんと「自分たちのこと、自分の会社のことを
一生懸命勉強して、理解しようと努力している」人の方が、
「受け答えは上手だけど、自分たちのことは何もわかっていない」人より
ずっと好印象です。

でも、気持ちが焦ってたくさんエントリーしたり、たくさんESを書こうと思うと、
一つ一つの会社を調べる時間が短くなり、結果的にどの会社からも「私のことを
よく理解していない人は必要ない」といわれてしまう。
こういう悪循環が本当に起きてしまうわけです。
私が「やり過ぎない」と言ったのは、こういうことです。

ぜひ、じっくりと腰を据えて就職活動に臨んでください。
腰を据えると、「本当に自分が行きたい会社」が見えてくる。
そういう会社がみつかれば、興味と情熱をもって、調べたり、覚えたりできるはずです。
そして、そうした情熱が、面接のテクニックを超えて、面接官という相手の気持ちを動かすのです。
これから挑む相手も、同じ人間なのです。


昨年11月に、会津大学に行って参りました。その時に上と同じことを感じたのですが
ブログに私の思いを綴ったところ、100人以上の方からリツイートされるという
非常に大きな反響を呼びました。
http://blog.serverworks.co.jp/ceo/?p=151
会津大学の学生さんは「学生時代にちゃんと勉強してきたITのプロフェッショナル」
という差別化ができている。
その事実が、面接官の気持ちを動かしています。

プロフェッショナルと呼べる自負がある人は、それを前面に出すのがベストでしょう。
ですが、残念ながらそこまでの専門知識は持ち合わせていない人は、
情熱を担保にして「入社してから頑張ります」という手形を切るしかありません。
そして情熱を向ける先は、分散させるより集中させた方が絶対に効果的です。

厳しいと言われる環境下ではありますが、みなさんの就職活動が成功するよう
願ってやみません。そして皆さんの中から、私たちと一緒に働きたいと心から希望する方
が現れれば、これに勝る喜びはありません。
皆さんにとって就職活動が大きな試練であることと同じように、私たちにとっても
就職活動は企業の未来を決めるとても重要な活動なのです。
ぜひ一緒に、この就職活動を笑顔で終わることができるように頑張りましょう!

実際、このメールで訴えたことは私の本当の気持ちです。
就活生が、就職を自分の一生のことと感じて一生懸命がんばることと同様に、会社も、採用こそが会社の成長を規定する必要条件、と捉えています。お互い本気なんです。

努力は報われたほうが良い。でも、どんな場合も努力が報われるのは「正しい方向に使われた場合」のみです。就活生のみなさんにも、そのエネルギーを「適切な方向に使ってほしい」、そして出来るだけ多くの方に、目標を達成して頂きたいと願ってやみません。

※本来的に就職はゴールではありませんし、そもそも新卒の学生が全員国内の企業に就職することはキャパシティの関係で不可能ですので、現実的には就職以外のゴールを設定する必要もあると思います。その話は別の機会にさせて頂きたいと思います。