こんにちは、大石です。
先日、こんな本を読みました。
インテグレーティブ・シンキングとは「相反する二つの考え方を同時に保持し、対比させ、二者択一を避けて、両者のよさを採り入れつつ両者を上回る新しい解決に導くプロセス」と定義されており、その重要性について、豊富な具体例を挙げて説明されています。
当社で経営指導と新入社員教育をお願いしている池澤七郎先生からも、お会いする度に「AかBか、という安易な対立ではなく、それを超える発想を考えなさい」と教えられているのですが、先日池袋のジュンク堂書店で行われたトークセッションでも内田樹先生が「日本人の安易な二項対立は知性の不調である」と仰っていたりして、本当に「頭が良い」人は、単純な二項対立や分析という名の駄目出しではなく、それを超える発想を創り出すことができる、ということに改めて気付かされました。
私たちも「クラウドコンピューティング」分野、特にITインフラのクラウド化に注力することを明確にしているのですが、どうしてもお客様に説明する際には「クラウド(=利用)か?オンプレミス(=所有)か?」という安易な二項対立で説明してしまいがちです。かといって、プライベートクラウドの様な安易な妥協では問題が解決しないことも、ITの業界に長く身を置いていれば直ぐに分かることです。
クラウドとオンプレミスという、相反するモデルの良い点をうまく活かしつつ、真にITが「経営の武器になる」レベルまで昇華させることこそが、私たちがチャレンジすべき課題であると考えています。
ところで、本書ではリーダーが身につけるべき思考法としてインテグレーティブ・シンキングについて書かれていますが、ぜひ政治のリーダー各位にも読んで頂き、基地問題など困難な問題の解決に、より高い次元の解決策を見いだすための方法論として使って頂きたいと、図らずも願ってしまいました。
やっぱりリーダーって大切ですね。