こんにちは、大石です。
当社の2011年度新卒採用では、一般的な企業と同様の採用プロセスに則って「ES(エントリーシート)」を書いて頂いているのですが、1次の〆切が近づき続々とESが届いております。
その全てに目を通しているのですが、とても熱心にいろいろと考えて書いて下さっている様子が伺えて大変感謝しております。
経済的な事情を考慮しなくて良いのであれば、「御社で働きたい!」とラブコールを送ってくれる方を拒む理由は何も無いのですが、残念ながら会社組織として活動している以上、利益を上げ続けなければいけない。そのために、利益を上げながら、当社が掲げる「適度な成長」という成長戦略を実現するに相応しい方を選考しなくてはいけないという、誠に残念な事情があります。
たった1回の会社説明会で「どうして我が社を志望したか書け」なんて、まるで書店で本の帯を見た人に対して、中身を読む前に「どうしてこの本を読みたいのですか?」と聞いている様で、我ながら「随分乱暴なことを言っているなぁ~」という気分になります。
本来であれば、じっくり本の中身を読む機会を設けて、それから好きか嫌いか、共感できるか否か判断していただくべきところ、「帯は見たよね?続きが読みたい?じゃあその気持ちを紙に書いて持ってきて」という上から目線が、当事者としても気持ちの良いものではありません。
恐らく1通のESに3~4時間はかかるでしょうから、数十社受けることが当たり前の現状では、応募して頂く方にも相当なご負担を掛けてしまうであろう事は想像に難くありません。それでも書いて頂かなければならない相応の事情があるわけです。
会社説明会で、みなさんにこういう説明をしています。
「良い会社」というのは無いんです。良いと思う点にも、人間の性格と一緒で、必ず裏があるんです。
肝心なことは、「共感できるか」どうかです。
会社説明会では、一方的に私たちからアピールしました。
私たちにとってのESは、みなさんから「共感して下さったかどうか」メッセージを受け取る初めての機会となります。ESを提出して下さった皆さんとは、まだ会社説明会でしかお会いしていない。極めて限られた接点の中で、私たちのメッセージに敏感に反応してくれているか?それはとりもなおさず、入社後に同僚から、上司から、部下から発せられるメッセージを受け取る能力を持っているかどうかを測る、極めて重要な尺度になると思うのです。
大手企業では、ESの中身は見ないと言います。文章の論理や誤字脱字、学歴だけをチェックするんだとか。効率を考えれば致し方ないのかもしれませんが、それでは画一的な人材しか残らず、今の日本に求められている「創造力」を発揮できる人材を採用できるはずがありません。
私たちは、採用担当者が全てのESに目を通しています。そのことが学歴やらサークル活動やらに縛られず、優秀な学生を採用する能力にプラスに働くと考えています。
※ちなみに、「全ての就活生にとって良い会社というものは無い」という理屈と同様に、「全ての企業から見て優秀な学生というものは無い」と思っています。やはり「マッチするかどうか」が大切です。
就活生のみなさん、ES大変ですよね。でも「ESを書くときに使う想像力」は、社会人になってから必ず役立つはずです。「どんなESを書いたら人事担当者が喜ぶか」を想像しながら、想像力のトレーニングだと思って頑張って下さい。