大石蔵人之助の雲をつかむような話

株式会社サーバーワークス 代表取締役社長 大石良

新卒採用について

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こんにちは、サーバーワークスの大石です。

当社では2010年から新卒採用を行うことにしており、目下絶賛活動中です。

実際のところ、IT系、特にソフトウェア関係のところですと新卒の戦力化には3~5年かかるのが普通ですから、そうした教育コストを嫌って「中途しか採用しない」という会社が意外と多いようです。

右も左も分からない新卒社員が「先輩!教えて下さい!」なんて1日に2回も3回も言おうものなら、忙しいIT戦士は「ググレカス」などと思わず口にしてしまいそうです。 ですが、短期的にはそうしたフラストレーションが貯まったり、忙しさが増してしまったりすることを承知の上で、当社は新卒の採用に踏み切りました。

これは、「新卒社員の採用活動を通じてしか得られない、大きなメリットがある」 という判断に基づいてのことです。

そのメリットとは、既存の社員に関することで、大きく言って以下の2点になります。

1.会社のことを自分で語る

当社では、すでに中途採用面接の際に「採用となれば一緒に働く可能性が高い人を面接官にする」という施策を行っていますが、新卒採用となると相手が業務のことを知らない分、会社の理念とかめざすべき道という観念的なことを社員が語らなくてはいけない機会が多くなります。

中途採用ばかりだと、こうした理念など上位レイヤーの考えを語るのが経営陣ばかりとなり、社員は「上がいってることだから」という様な意識レベルでの隔絶が生まれてしまうと思っています。

新卒の採用によって、社員自らが会社のこととか理念のことなどを考えたり語ったりする機会が増え、それが結局「理念の浸透」につながるのだと期待しています。

2.文化や知識を継承することで、自らも学ぶ

自分の生きた証を残すなんていうと大げさですが、新卒社員にいろいろと会社の価値感やものの考え方、問題解決の方法を教え、それがその社員の考え方のベースとなり、また新たな新卒社員に引き継いで行かれれば、立派に文化を継承していると言えると思います。 転職の経験がある方はおわかりかと思いますが、「最初に入った会社」というのはやはり特別なものです。 真っ白なキャンパスに会社の文化の下絵を描く。 それは相手が新入社員だからこそできることだと思いますし、この体験、即ち「教えることによって自分が学ぶ」ことこそが、新卒を採用する真の価値だと思います。

こうした経験は、他のどの業務をもってしても置き換えの利かない、非常に重要な体験です。 短期的に時間や利益を圧迫することがあっても、会社の文化を揺るぎないものにし長期的に成長を続けるためには、絶対に新卒採用が欠かせないと確信しています。

明日は記念すべき第一回の会社説明会です。

まだ運営面などで拙さが残ると思いますが、何回もリハーサルをし、みんなが一生懸命に準備した心のこもった説明会です。暖かく見守ってやって頂ければ望外の喜びです。